生前整理は誰のために行うの?

2024年5月17日2024年6月20日

生前整理は誰のために行うの?

生前整理は本人がまだ元気なうちに行うので、自分のためと言ってよいでしょう。

特に不用な物を処分して住空間を整えることで、家庭内での事故を未然に防ぐことができます。

一方、財産などの整理は自分のためでもあるのですが、全財産を把握してリストアップしておくことは、相続トラブルを回避するために大切なことなので家族のためとも言えます。

この記事では、住空間の整理と財産関係の整理についてお伝えします。

住空間の生前整理は自分のため

思い立ったら家の中や家のまわりを少しずつ片付けましょう。

家中を一気に片付けようとすると中途半端になってしまい、再度しまい込んで気持が落ち込んでしまうことになりかねません。

生前整理は家庭内の事故を未然に防ぐ

65歳以上の高齢者の事故の80％近くが家庭内で起きていますが、転倒や打撲などの事故は、住空間を整えることで、ある程度予防ができます。

散らかった部屋を自分で整理しつつ、大型家具や買い取ってもらえそうな物品は、業者に依頼すると一気に片付きます。

家庭内で事故が多い場所と対処方法は？

▶階段：転落による骨折（階段には物を置かない）

▶廊下:つまずきによる転倒や骨折（滑りやすいスリッパを履かない）

▶浴室：転倒、火傷、突然死（滑らない工夫、脱衣所とお風呂の暖房をする）

▶台所：脚立を使い収納ボックスを開閉した時の転倒（高いところに物を収納しない）

▶屋外作業：屋根からの転落、植木の手入れの際の転落（高所の作業はさける）

▶トイレ：ふらつきなど（手すりをつける）

財産関係の生前整理は相続トラブルを回避するため

生前整理のひとつの「財産整理」は、お金や不動産、貴重品などの財産を「死後にどうするか」を考えて整理していく作業です。

ご本人が元気なうちに全財産を把握しておくと、金銭的に余裕があれば旅行や趣味に使うこともできます。

また、全財産をリストアップしておくことは、相続トラブルを回避するために大切です。

財産のリストアップ

財産とは、預貯金、生命保険、有価証券、土地や建物などの不動産、貴金属、美術品、車やバイクなどです。

住宅や車のローン、未納の税金、各種借入金などはマイナスの資産になります。また、連帯保証人になることで生じる連帯保証債務、商売などをしていた場合に生じる買掛金などもマイナスの財産とみなされます。プラスの財産でけでなく、マイナスの財産も必ず明記しておきましょう。

財産の明記しておきたい内容

➀現金、預貯金の残高、銀行名、講座の種別、口座番号

②生命保険や医療保険の険会社の名称、暗証番号、加入している保険の種類、支払予定額

③有価証券は証券会社の名称、銘柄、数量、評価額

④所有不動産の所在地、面積、使用状況、評価額

⑤美術品貴金属等の保管場所、点数、購入額、評価額

⑥マイナスの資産については返済先、借入金額、残額、利率

デジタル資産について

デジタル資産は、セキュリティのためにパスワードやIDが設定されていますが、ご本人が亡くなると、遺族は情報を確認できません。

例えばネット銀行の預貯金、ネット証券の保有株式、仮想通貨、電子マネー残高、スマホ決済の残高などは明確にして、信頼できる人に伝えておきましょう。

まとめ

生前整理は自分のためでもありますが、もしもの時に遺された家族のためでもあります。

永く住み続けた家の中が不用品にあふれているようなら、少しでも早く整理しましょう。

また、財産がどれくらいあるのかを把握して明記するとともに、デジタル資産についての情報も明確にしておきましょう。

生前整理は、死に向かう準備ではありません。人生百年時代を迷わずに生きるためのステップです。

無理をせず、快適な生活空間を手に入れるとともに、計画的な財産管理を行いましょう。

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